CONCEPT

Now you can choose your sofa
in the same way you choose your favorite clothes.

はじまりは、1枚の布との出会い

BOYのはじまりは、生地屋さんが紹介してくれた
きめ細かな繊維が美しく交わったウール100%の生地との出会いから。
上質なのに親しみやすい風合いに“良いものを長く使う文化”がにじみ出ていて
生地屋さんの「デンマーク製です」という説明に、妙に納得してしまった。

この生地をはじめBOYシリーズで張り地として使っているのは、
独自のルーツや作り手の意図などストーリーを感じさせる欧州の生地ばかり。
自然の風合いを残しつつ糸の組み合わせで絶妙な色を出したものや
その昔には騎士がシンボルにしていたチェックなど、
どれも作り手がプライドをもって織り上げた個性派ぞろいです。
ぜひじっくり、それぞれの“顔つき”を見て愉しんでほしいと思います。
※100%ウールは一部の生地に限られております。

ヨーロッパ生まれのウール

古くからウール文化が根付いたヨーロッパでは
服だけでなくファニチャーやラグにもたくさん使われていて
あのフリッツハンセンのエッグチェアやスワンチェアの張り地もウール。
日本人の感覚では暑そう、チクチクしそうと感じるかもしれないけれど
夏は涼しく冬はあたたかい素材で、手ざわりも意外とさらりとしています。

BOYに採用しているデンマークのメーカーのウール生地は
機械化しつつも昔から伝わる製法を大切にして織り上げられていて
しっかりとした厚みがありながら、なめらかで気持ちのいい肌あたり。
息の長い生地を作り続けることに使命感を感じているようなメーカーだけあって
すこぶる完成度が高く「これが本物のウール生地なんだ」と感心しました。

ほかにも、異素材と組み合わせてあっさりした質感を出したものや
色とふくらみで立体感を出したコットン生地など、どれもいいものですが
僕個人としては、やっぱりウール生地をおすすめしたいところです。

日本人のためのカタチ

張り地の良さを一番に感じてほしいから、デザインやフォルムはひかえめに。
まっすぐ素直な形の中にクッションや肘で丸みをつけるなど
ほんの少しアクセントを加えて長く飽きずに使えるようにしました。

サイズ感は僕が日常で感じた「ちょうどいい」を積み重ねてカタチにしたもの。
気持ちよくくつろげるように2人掛けと3人掛けの幅は広めに、
1人掛けの幅はややコンパクトにし、奥行きは日本人にフィットする浅め。
置きやすいサイズでありながらゆったり座れる理想のソファが生まれました。

そして“服のように、自分らしさで選べるソファ”として
ライフステージの変化に合わせて買い足していけることはBOYの大きな個性。
ひとり暮らしのときは1人掛けやカウチを置き、
家族がふえるごとに2人掛けやワンアームのソファを加えてというふうに
人生をともに歩むことができれば、これほどしあわせなことはありません。

大切なものは、目に見えない

BOYは、目に見えないところまできちんと作ったソファ。
いつも「あ・うん」の呼吸でベストを尽くしてくれる木工の職人さんが
“幅広でもタイトなシルエットに”という難しいオーダーを叶えてくれました。
通常よりも桟を増やしたり、木材の一部を太くしたりと内部には工夫が満載。
しっかりと強度があって長く愛用していただける芯の強い構造です。

そして座り心地は柔らかめで、フェザーにふんわり包み込まれる感覚に。
きちんと姿勢を正して座るというよりは、腰で座ったり寝そべったりして
「あぁ、気持ちいいな」とリラックスしてもらえるソファをイメージしました。
座クッション※は、芯材にへたりにくい硬質ウレタンを入れて適度な弾力をもたせ、
そのまわりに高級なフェザーをたっぷり詰めてふかふかに仕上げています。
※B504 SOFAのみポケットコイルスプリングを採用しています。

これらのこだわりは、国内の信頼できる業者さんだから実現できたこと。
プロの誇りある仕事が積み重なって今までにない快適さが生まれた、
このソファにはそんな見えない物語が隠されているのです。

唯一無二のソファとなるように

実はBOYは、施設やショップ向けに良質のファニチャーを作り続けてきた
中村工芸がはじめて個人のお客様に向けて作ったソファ。
そんな特別なソファの企画・デザインだからこそ僕は、
「自分が感動できる、本当にほしいと思えるもの」にしたいと思いました。

個性的な張り地を贅沢に使い、細部まで妥協せずに作ったのはもちろん
ジーンズのように“オーナーが育くむ余地”があるのもこだわり。
長年使ったからこそ生まれるクッションのしわや張り地の擦り切れ…
その変化さえ愛おしい個性と思えるソファになるように。

はじめて見た瞬間に「これでないと、だめだ」と運命を感じてもらうこと、
ともに年月を重ねる深いよろこびを感じてもらうこと、
BOYならきっとそれが可能なソファになると信じています。